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機器分析センター

機器分析センター

はじめに

 奈良高専では、基盤的な機器だけでなく様々な先端機器を講義や学生実験・研究に取り入れることで実践的なキャリア教育を行い、優秀な学生を社会に送り出してきました。物質化学工学科では、主に物質の性質を調べる先端分析機器を機器分析センターに導入して、学生諸君の教育だけでなく、共同利用機器として教職員の研究活動や社会貢献にも活用し、多くの成果を出してきました。さて、平成21年度から、奈良高専マスタープランに基づく設備更新が高専機構に認められ、機器分析センター内にある分析機器も最新の先端機器に順次更新されています。これらの先端分析機器をシリーズで紹介していきますので、是非、奈良高専にある先端分析機器に興味をもってもらえればと思います。(物質化学工学科 松浦幸仁 准教授)

FE-SEM/STEM/Dual EDS (JEOL製 ショットキ―電界放出形走査電子顕微鏡&ツインEDS検出器JSM-7800, Thermofisher製 ツインEDS検出器 60 mm2×2 )

  FE-SEMは電子顕微鏡の一種であり、電子線を絞って電子ビームとして対象に照射し、対象物から放出される二次電子、反射電子、透過電子を用いて高分解能で観察することができます。本校所有のJSM-7800はショットキー型であるが、スーパーハイブリッドレンズを搭載しておりシングルナノスケールでの観察が可能です。また、それぞれの観察視野に応じた検出器を搭載しているため、それぞれの倍率での2次・反射電子像あるいはその合成像撮影が可能です。電子ビームを絞ることができるので、ナノ粒子などのSTEM観察も可能となっています。一方、特性X線を用いたEDS測定用の検出器として、60 mm2の広い検出面積を持つ半導体検出器を2本搭載しているため、微細領域においても高精度な元素分析を行うことができます。

 試料室には大気非暴露機構を備えているため、グローブボックスなどで調製した試料など、嫌気資料においても分析が可能です。

 前処理装置には、大気非暴露冷却クロスセクションポリッシャーを保有しているので試料断面の観察など幅広いニーズにお応えすることができます。

前処理装置

○大気非暴露冷却クロスセクションポリッシャー

○貴金属スパッタ

○カーボンコーター

参考HP:JEOL

http://www.jeol.co.jp/products/detail/JSM-7800F.html

http://www.jeol.co.jp/science/cp.html


技術相談窓口:山田

XRD (RIGAKU製 全自動多目的水平X線回折装置 Smart Lab 3K/PD/INP  )

  X線回折法では、試料にX線を照射した際に、原子の周りにある電子によってX線が散乱、干渉した結果みられる回折の情報を解析し、無機物質の粉末や薄膜、金属部品など多様なサンプルの測定可能です。

  本校所有のSmartLabは、従来のシンチレーションカウンター(0次元)に加え、高速1次元(D/teX Ultra 2)/2次元(PILATUS)X線検出器を搭載しており、高速での高精度なXRD測定が可能です。加えて①粉末測定はもちろんのこと、②薄膜測定(反射率、インプレーン、ロッキングカーブ測定)、③極点・応力測定(反射極点、透過極点、応力測定)、④微小領域測定、⑤小角・超小角測定(透過小角測定、反射小角測定、粒径空孔径分布測定)、⑥昇温XRD測定(大気雰囲気、不活性ガス雰囲気、加湿水素ガス雰囲気)、⑦電池セルin-situ測定など、多様な測定が可能となっております。


参考HP:RIGAKU http://www.rigaku.co.jp/products/p/xdth0003/


技術相談窓口:山田

HR-SPM/FM-AFM (SHIMADZU製 高分解能走査型プローブ顕微鏡/周波数変調SPM-8000FM)

 走査型プローブ顕微鏡 (そうさがたプローブけんびきょう、Scanning Probe Microscope; SPM) は、先端に据え付けた尖らせた探針を用いて、試料表面をなぞるように動かして表面の凹凸、形状などの表面状態を観察することができる顕微鏡の一種です。先に紹介したFE-SEMなどは特にXY平面分解能が高いことが特徴ですが、SPMはZ分解能、すなわち高さ分解能が高いことが特徴です。

 この高さ情報を読み取るプローブとして表面と探針先端で流れる微少なトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力を利用した原子間力顕微鏡(AFM)をはじめ、数多くの種類があります。本校所有のHR-SPMは、AFMの一種ですが、大気中・液中でのノイズを従来機種の1/20まで低減されており、簡易に原子分解能を得ることができる最先端機器です。

 また、FM波を用いた周波数変調方式での観察が可能で今まで観えなかった基板表面での現象までとらえることができます。

参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/surface/8000fm_01.htm

技術相談窓口:山田

XPS & UPS (アルバック・ファイ製 X線光電子分光装置 ESCA 3057特型装置)

   触媒表面の原子の配列や電子構造により反応速度が変化する触媒反応や、防食・耐水などの表面加工など、材料の表面が重要な役割を担っている分野がありま す。では、そのような表面の情報を得るにはどうしたらよいのでしょうか。本項では、表面測定技術の一つであるX線光電子分光法(XPS)について紹介いた します。XPSは、無機固体や高分子などのサンプル表面にX線を照射し、生じる光電子のエネルギーを測定することで、サンプルの構成元素とその電子状態を 分析することができます。他のX線を用いた測定機と異なり、光電子を用いるため、進入深度が数ナノメートルと浅く、角度分析測定と組み合わせることで原子 オーダーでの測定が可能です。このため、試料最表面に存在する元素の様々な情報が得られます。また、ESCA 3057特型装置の試料台には、熱源および冷却器を装備していることから-130oCから500oCまでの広い温度範囲での測定に対応しています。 奈良 高専では、このような高度な装置を卒業研究や学術研究に活用することで、化学・物理に関する幅広い知識と経験を備えた学生の育成と研究室で生まれた発見や 発明を通じて社会貢献できることを目指しています。

  また、紫外線を用いた紫外線光電子分光法(UPS: Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)用測定器も備えており、XPSによる内殻測定に加え、外殻の電子状態を測定することができます。

 

技術相談窓口:山田

NMR (JEOL製 核磁気共鳴装置400SS)

   昨年度にNMR(核磁気共鳴装置)が最新機種に更新されました。これは、様々な有機化合物(主に炭素原子から構成される化合物)の分析に用いる機械です。 昨年ノーベル賞を受賞した鈴木先生、根岸先生も、日夜このNMRを使って研究しておられました。また、病院でお目にかかるMRIはNMRを医療用に改良し たものです。
NMRのような最先端の分析機器は、通常の高校や工業高校にはありません。本校ではこのNMRを2年生の学生実験で使用していること が特色といえます。学生実験だけで全てを理解することは難しいようですが、概要を認識した後、4年生後半の研究室配属から本格的に使用し、理解を深めるこ とができます。
分析機器は全般的に高価で、一気に更新することは非常に難しいです。しかしながら、毎年少しずつ更新、導入を行うことで、学生が最先端の分析機器にたくさん触れることができるように努力しています。

参考HP:JEOL http://www.jeolusa.com/PRODUCTS/AnalyticalInstruments/NuclearMagneticResonance/ECS400/tabid/486/Default.aspx


技術相談窓口:亀井

UPLC-TOF-MS (Waters製 液体クロマトグラム-質量分析計 XevoG2-S Qtof)

 本校所有のXevo® G2-S QTof は、再現性よく最高感度が得られるイオン光学系を有しています。また、この光学系とQuanTofのシステムは、UPLC®とシステム化することで、質量分解能・サンプル中でのワイドダイナミックレンジ・定量性能・質量精度・分析のスピードを向上させることができます。これにより、UPLC/MSとして使用する場合も、質量分析計の性能を損なうことなく確実に高性能が得られます。通常のMSでは困難で分析上課題の多いサンプル中のあらゆる化合物を同定・定量できるように設計されています。


参考HP: Waters http://www.waters.com/waters/ja_JP/Xevo-G2-S-QTof/nav.htm?locale=ja_JP&cid=134672594

技術相談窓口:亀井

ICP (SHIMADZU製 ツインシーケンシャル形ICP発光分析装置 ICPS-8100)

 ICPは高周波誘導結合プラズマ(ICP)を光源とした発光分光分析法の一種です。試料溶液をミスト化してArプラズマに導入し、プラズマの熱(5000~7000K)によって励起された元素が基底状態に戻る際に放出される光を分光して、波長からは元素の定性を、強度からは定量を行うことができます。
 装置へは、固体の場合は適切な試料前処理(試料により適切な前処理が必要)を行ってから、導入する必要があります。また、濃度既知のICP用元素標準液を用いて検量線を作成し、検量線法により定量を簡便に行うことができることも特徴です。
 装置には、高分解能なシーケンシャル型と迅速に測定が行えるマルチチャンネル型のものがあり、目的によって使いわけられますが、本校所有のICPはツインシーケンシャル型であるため検出器と光路が2ライン搭載されており、迅速かつ高い精度で測定することができます。


参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/icp/icps8100/index.htm


技術相談窓口:山田

触媒評価装置&BET (日本ベル製 触媒評価装置BELCAT-A & 自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP-mini)

触媒評価装置

  現在、排ガス用、工業用あるいは燃料電池用など金属ナノ粒子材料の開発が活発に行われております。本校所有の触媒評価装置(BELLCAT-A)は触媒評価に必要なTPD、TPR、TPO、金属分散度(金属表面積)、BET1点法比表面積、パルス法化学吸着量測定などの分析を全自動で行うことができます。また、クライオポンプを搭載しているため、ガス吸着の起こりにくい触媒系においても極低温においてガス吸着能を評価することができます。加えて、耐腐食ガス用のラインを有しているため、様々な触媒の評価を簡易に測定できます。

BET

  BET吸着装置は、定容量法ガス吸着法により吸脱着等温線を自動測定し、比表面積(BET,Langmuir法による比表面 積)、細孔分布(マイクロ孔:t-plot,MP、メソ孔:DH,CI,BJH)を解析することができます。また、フリースペース(死容積)連続測定方式(日本ベル特許)を採用しており、液体窒素の液面コントロールを気にすることなく高精度な測定が可能です。無孔性の比表面積が小さい試料から多孔質の比表面積が大きな試料まで幅広い粉体材料の測定が可能です。

参考HP: 日本BELL

http://www.nippon-bel.co.jp/product/product_12.html

http://www.nippon-bel.co.jp/product/product_04.html


技術相談窓口:山田

SPM (SHIMADZU製 走査型プローブ顕微鏡SPM-9700)

  走査型プローブ顕微鏡 (そうさがたプローブけんびきょう、Scanning Probe Microscope; SPM) は、先端に据え付けた尖らせた探針を用いて、試料表面をなぞるように動かして表面の凹凸、形状などの表面状態を観察することができる顕微鏡の一種です。先 に紹介したFE-SEMなどは特にXY平面分解能が高いことが特徴ですが、SPMはZ分解能、すなわち高さ分解能が高いことが特徴です。

  この高さ情報を読み取るプローブとして表面と探針先端で流れる微少なトンネル電流を利用した走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力を利用した原子間力 顕微鏡(AFM)をはじめ、数多くの種類があります。本校所有のSPMは、これらの機能を搭載しており、コンタクトモードでの観察はもちろん、ダイナミックモード、STMモードを備えております。

  これらの機構により、位相、水平力(LFM)、フォースモデュレーション、フォースカーブ、電流、表面電位(KFM)、磁気力(MFM)、液中観察、電気化学in-situ観察など多彩な測定が可能となっております。


参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/surface/spm/spm/extend.htm


技術相談窓口:山田

熱分析装置 (SII製 熱重量分析装置TG/DTA7200、示差走査熱量分析装置X-DSC7000)

   私たちはたくさんのプラスチック製品に囲まれて生活しています。プラスチックの原料は高分子と呼ばれる化学物質で、有機分子がつながってできています。高 分 子は熱で容易に変形するので、この性質を利用して包装材、玩具、自動車部品など様々なプラスチック製品が作られます。良い製品を作るには、高分子の温度に 対する物性の変化を詳しく知る必要があり、そのために熱重量分析装置(TG-DTA)と示差走査熱量分析装置(DSC)からなる熱分析装置が用いられま す。TG-DTAは物質を1000℃近くまで加熱ができ、その重量変化を調べる分析装置です。DSCでは-80℃から800℃までの温度範囲で物質の熱物 性を調べることができ、高分子が軟らかくなったり融けたりすることが確認できます。これらの機器は高分子以外にガラス、金属、液晶など、いろいろな物質を 調べることができます。
奈良高専では、これらの機器を学生実験や卒業研究に活用して、化学や物理の授業で学んだ知識をより確かなものとすることで、高度なキャリア教育を行っています。


参考HP: 日立ハイテクサイエン

http://www.hitachi-hitec-science.com/products/thermal/STA7000.html

http://www.hitachi-hitec-science.com/products/thermal/sp_dsc7000x/


技術相談窓口:松浦

UV-vis (SHIMADZU製 紫外可視吸収分光分析装置UV-3600)

   私たちの身の回りにある製品には様々な色彩が施されており、性能だけでなくデザインが商品の購入を決める要因になる場合もあります。私たちの目には、なぜ その製品が赤色や青色などに見えるのでしょうか?その原因は、製品の表面に塗られている色素がある特定の色を吸収し、私たちの目にはその補色が見えているからです。補色とは大雑把にいうと正反対の色と考えてください。(例えば、赤色の補色は緑色です。)また、一見すると同じ赤色に見えても微妙に異なる赤色が たくさんあることは、衣類などを購入する際にどちらにするか頭を悩ます原因になります。これらの光の種類は周波数(光が1秒間に何回振動するかを示す値) によって科学的に厳密に分類することができます。紫外可視吸収分光分析装置は、どのような種類の光がどれだけ吸収されているかを調べることができる分析装 置です。この装置を用いれば、人間が感じる微妙な色の差や変化をはっきりと知ることができます。奈良高専の学生は、自分で合成・加工した物質の色をこの分析装置で調べて、教科書に書かれている知識をより確かなものとする実践的で高度なキャリア教育を受けています。


参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/uv/uv3600.htm

技術相談窓口:松浦

その他の装置(編集中)

RF (SHIMADZU製 分光蛍光光度計RF-5300)

参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/spectro/rf5300.htm
技術相談窓口:松浦

FT-IR (SHIMADZU製 赤外分光装置 IRAffinity-1)

参考HP: SHIMADZU http://www.an.shimadzu.co.jp/ftir/affinity/iraf.htm
技術相談窓口:松浦

GPC (Shodex製 高速液体クロマトグラフシステム GPC-101システム)

技術相談窓口:松浦

GC (Agilent製 ガスクロマトグラフシステム 6850)

参考HP: Agilent http://www.chem-agilent.com/contents.php?id=110
技術相談窓口:松浦

CDS (JASCO製 円二色性分散計 J-820)

技術相談窓口:直江